2018年5月29日火曜日

子育て×メタファシ講座レビュー前編:参加者のやりとり「家族にイライラせず、行動変化を促すには?」

2017年度から始まった助け合うための子育てコミュニケーション講座。過去3回の講座参加者を対象に、ステップアップ講座を開催しました。
講座では、メタファシリテーション手法の復習や事実質問をペアで練習したあと、参加者に、最近「何で○○しないの?」と家族に言ったお話を聞いてみました。

【講師からの質問】
講師: 最近、「何で○○しないの?」、「何で○○したの?」と家族に使ったことはありますか?
参加者A(以下A): あります、あります!
講師: 何て言いましたか?
A: 息子に「何で、洋服片付けないの?!」って毎日言っています。
講師: 今朝もですか?
A: はい。
講師: 昨日もですか?
A: はい毎日。やるまで待っていたんですが、つい言ってしまいました。相手も嫌な気持ちになるって分かっているんですけど我慢できなくて。
講師: そうなんですね。「何で〜しないの?!」と言うと相手の自己肯定感が下がるだけではなく、『何であんな言い方しちゃったんだろう・・・』と自分の自己肯定感も下がります。
メタファシリテーションを使って、この下げ合いっこをやめることができます。
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さて、最近みなさんも「何で片づけしないの?」とご家族に言ったり、言われたりしたことはありましたか?私もよく家族に使ってしまいます。でも、お互いに自己肯定感が下がるばかりか、相手が「物を片付ける」という習慣も身に付かないですよね。
そこで、講座では、Aさんの息子さんが自分から洋服を片付けるようになるには、息子さんにどんな事実質問ができるかを考え、Aさんには息子さんとして答えてもらいました。
みなさんも一緒に、どんな質問をすると「洋服を片づけたくなるのか」を考えてみて下さい。


【参加者からの質問→参加者Aさんの回答】
・いつ着替えましたか?→朝起きてすぐ。脱いだパジャマはそのままで、洗面所に片付けてと言うと片付けました。
・片付けて欲しいのはパジャマなんですね。片付け場所は決まっていますか?→はい、洗面所です。
・今朝どこでパジャマを脱ぎましたか?→リビング
・今朝どこから洋服を取ってきて、着替えましたか?→自分の部屋から洋服を取ってきました。寝室など着替え場所は決まっていません。
・洋服はいつ選びましたか?→今日は朝選びましたが、なぜか前日に用意している時もあります。
・他に任せていること(お手伝い)は何ですか?→夕飯後にお皿を運ぶのと、夕飯前に机の上を片付けて家族分のお箸を並べます。
講師: 成功事例を聞くといいですね、ヒントがあるかもしれません。

・今朝はパジャマを畳みましたか?→畳みません。とりあえず見えない所に収納されていればいいんです。言えば片付けるんですが、言わないとやらなくて
・置き場所は、洗面所でないと困ったことはありますか?
→私が洗面所だと、お風呂あがりに便利なので。息子は洗面所じゃなくても、困らないと思います。
講師: 導線を聞いて、無駄がないかを確認するといいですね。パジャマは、洗面所じゃなくても、見えない所に片付いていればいいんでしたね。着替えが自分の部屋にあるなら、導線にパジャマをポイっと入れられる箱を置くなど考えられますよね。相手を変えることより、自分が思い込みに気づいて変わることの方が簡単です。

・(自分の子どもは、シール貼りが好きなので)パジャマを片付けたら、シールを貼るのも楽しいですね。
→シールいいですね!ちょうど昨日、幼稚園のときの出席ノートを見て、子どもが学校でもシール貼りやって欲しいなって言ってたんです!可視化できるし、早速シールを買いに行きます。でも、子どもの自主性を大切にしたいのですが、こちらからパジャマ片付けたら、シールを貼ろうと提案していいんですか?

講師:本人がやりたいと言って、決めたことならいいんです。無理矢理シール貼ろう、ではないですから。本人が決めたことならそれを実現することで自己肯定感が上がります。一緒に楽しんで続けられる仕掛けをつくっていくのは大切です。シールを買いに行くことから、一緒にしてもいいですね
→息子は、表をつくるのが得意なのでシールを貼る台紙を作ってもらいます。
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さて、参加者Aさんは、自分の息子さんに合った解決策を見つけたようですね。その後のパジャマ問題は解決されたのか・・・?次回のブログでは、その後の息子さんのご様子や講座の感想をご本人に投稿いただきます。後編をお楽しみに。

(山岡 美翔 ムラのミライ 理事)






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2018年5月18日金曜日

メタファシリテーションの実践から、自分の思い込みに気づく

シンプルな対話(いつ、何を、どこで、といった事実だけを聞きだす事実質問)を通して、相手に気づきを促したり、本当の問題を知ったりするためのコミュニケーション手法、(対話型)メタファシリテーション。今年の春休みにこの手法を知り、つまずきながらも日常生活で少しずつ実践しようと心がけています。今回は私のアルバイト先のレストランでのある先輩との会話について書きたいと思います。

二週間ほど前のある平日の暇なディナー営業でのこと、私は先輩と二人でおしゃべりをしていました。その先輩がインテリア好きだと以前に聞いていた私は、「一番最近買ったインテリアは何ですか?」と質問。
すると二年ほど前にスツール(背もたれのない一人用のいす)を通販で買ったとのこと。先輩は家にある北欧テイストのスツールの実物写真を見せてくれました。
「めっちゃおしゃれですね!」と私。

同時期に通販のオーダーメイドでキャビネットも購入したと先輩。北欧のインテリアが好きで通販で調べ、またインテリアとしてドライフラワーを買いに、実家に帰省した際二回ほど隣県のハーブ園に足を運んだこともあると聞かせてくれました。そういえば、昨年夏北海道に家族旅行に行っていたときは、小樽のハーブ園できれいなドライフラワーの置物をお土産で買ってきてくれたことを思い出しました。

その後話題は自然に音楽へと移っていき、私は先輩が学生時代に軽音楽部に所属していたことを知っていたので、いつから音楽に取り組んでいたのか気になり、質問してみました。

私:「音楽で何か活動し始めたのは大学生からですか?」
先輩:「いや、中学生のとき。学校にそういう団体がなくて、友達と部活を作って文化祭で発表したりもした。」
私:「へえ~そうだったんですか!」

その後、ヘヴィメタル、ヴィジュアル系、コンテンポラリーなどなど、私にはちんぷんかんぷんな、中学生時代からの先輩が好きになったロックミュージックの種類の変遷についてまでも楽しそうに話してくれました。

その先輩は、フリーターだけれど他の学生よりバイト時間が多くもなく、私の中でもかなりマイペースな印象を持っていて、あまり積極的に行動するイメージがありませんでした。
けれど、
「最近いつ何のインテリアを買いましたか?」
「音楽に取り組みだしたのはいつですか?」
という「いつ」を使った二つの単純な事実質問によって、興味のあることを熱心に追求する先輩の一面を新しく知り驚きました。

今までその先輩について、インテリアが好き、ロックが好き、料理が好き…など、会話のなかで知っていっても、自分があまりその分野に精通していなかったり、会話の広げ方が分からなかったりして、そうなんだ~とか、すご~いとか、うわべだけの返しをしてしまっていたことが多かったと思います。
いつから調べ出したのか、最後に何をいつ買ったかなど、簡単に聞ける事実を知ろうとせず、自分の中にあるぼんやりした情報や普段のバイトでの様子など、自分の見たものや、理解できる範囲のことからだけでその先輩を見ていたことに気づきました。事実をたくさん聞いていくことで、私が今まで知ろうとしてこなかった先輩の一面を知れて、嬉しい気持ちになりました。

相手ではなく、自分に対しての気づきになってしまったのですが、事実と思い込みをごちゃ混ぜにして、ただたくさん会話するだけでは、何もその人に対する事実を知ったことにはならないと学びました。
知り合って丸二年近くですが、私の中の先輩への印象がやっと少し変化したおしゃべりでした。


(笠見友香 ムラのミライインターン)







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2018年5月8日火曜日

子育て相談 決めるのは誰?



相談者「娘(1歳くらい)の左利きを直したいんですが、直りますか?」
(結構、思いつめた感じがする・・・。)
私『何か(what)困ったことがあったの?』
「ご飯を食べるときとか、字を書く時に」
(あれ?まだ、字も書けないしご飯も離乳食でつかみ食べの時期)
『そうなんだ~、いつ(when)困った?』
「まだ本人は困っていないんですけど、この先困るかな?って」
『あなたは左利き?』
「違います、主人が左利きです。主人が困るから直した方が良いって。
 私はどっちでも良いかなぁ~って思っていたんですけど・・・。」
『分かった、あなたはどちらでもいいのね。
ご主人が困ったという気持ちに共感することはできる?』
「できます。所作の美しさとかも大切だし、
ほとんどの道具が右利き用で作られているのできっと困ると思います。」
 『じゃぁ、どっちでも良いかなぁではないということ?』
 「はい」
 『夫婦同じ気持ちで出した結論だと思える?』
 「はい」

この後、夫婦で同じ方向を向いて子どもに接していれば練習次第で何とかなるよ。みんな初めは「できない」から始まるんだし、私たちも初めから一人で何でも上手にできたわけではないしね。とお話していたら、とても素敵な笑顔で一緒に来たママ友の元へ戻っていかれました。

相談されるとき、一番配慮していることは相談を受ける側が決めたことを相談した人が行動するというパターンにならないようにということです。あくまでも決めるのは本人。そこを導き出すのにメタファシリテーションは本当に役立ちます。

(渡邊雅美)

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2018年5月1日火曜日

代表オンステージ!現場スタッフの声が聞きたい時は・・・

組織を対象とした支援に共通する場面として、代表者や設立者など、その組織の中心人物だけが話して、活動を担う現場スタッフの声がなかなか聞けない・・・というパターンがあります。そんな状況になった時も、あわてず騒がずメタファシリテーション方式の質問(事実質問)をすることで、それまで話していた方をさえぎることなく、うまーく話し手をスイッチすることができます。

もう何年も前のことですが、何人かのグループで、あるNPOにヒアリングをする機会がありました。話し手として出てきてくださったのは、代表理事と事務局長。お二人とも団体設立からずっと活動してきているので、たくさんお話が聞けそうだなと期待していました。

ところが、設立のきっかけ、めざすこと、団体の強み、今後の課題・・・ヒアリングに伺ったメンバーがどんなことを聞いても、スラスラと喋ってくれるのは代表理事。事務局長はその隣で、黙ってうつむいています。表情もよく見えません。まさに、「代表理事オンステージ」のワンマンショーになっていました。

うーん・・・ボスの見解を一通り聞いてもいいけど、それだけでは団体の今のリアルは見えてこないかも・・・「社長」だけじゃなくって、あなた(事務局長)の話も聞きたいのよ・・・と内心ジリジリしつつ、うまい入り口を探していました。

と、その時。

代表理事:うちの場合、ボランティアがいなくては活動が成り立たないのでね、登録してもらう時によく面談したり、色々と工夫してきてるんですよ。
私:それは素晴らしいですね。最近、新たに登録されたボランティアはいらっしゃいました?
代表理事:えーっと・・・(事務局長の方を向いて)どうだった?
事務局長:(初めて顔を上げて)あ、昨日、事務所にいらっしゃいました。
私:どなたが対応されたんですか?
事務局長:私です。
私:事務所にいらっしゃって、まず何をされたんですか?
事務局長:ボランティア登録の用紙があるので、それに記入してもらいました。
私:そういう用紙があるんですね。記入してもらってから、どんなお話から始めたんですか?
事務局長:はい、まず・・・

この後、実際に何をして、何を話して、その次に・・・という風に、その時の状況を具体的に質問し、事務局長さんがどんどん答えてくれたのでした。

事務局長さんが対応した直近のボランティア登録、というピンポイントのできごとが出てきたので、そこに絞って具体的な行動を聞くことで、質問の内容は「(その時対応した)事務局長さんしか答えられない質問」になりました。
もし、ここでピンポイントのできごとに絞らず「ボランティア対応の担当はどなたですか?手順はどうしていますか?工夫していることは?」という聞き方をしていたとしたら?
たぶん、引き続き代表の方が話し続けていたのではないかと思います。

代表理事オンステージ、村長オンステージ、自治会長オンステージ、先生オンステージ・・・世にあふれる「声の大きい人オンステージ」。そこからスッと抜け出して、別の人の眼から見えている風景をステージに乗っけたら・・・意外な風景が広がるかもしれませんね!

宮下和佳 ムラのミライ専務理事)



ムラのミライの研修は「先生オンステージ」…ではありません



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